京都市長選が私たちにもたらすもの。

先に書きますが、私は政治に明るい方ではありませんし、
政治的活動を将来希望する人間でもありません。
「パーティで、様々な格差や考え方の違う人間が集まり
それが他者を理解するきっかけに繋がれば良い」
という気持ちでパーティを行っていることが
社会的活動に結びつく、というなら、そうかもしれない。
ともかく、自分はパーティを自分の理想な形でやりたい、
それだけのシンプルな気持ちで毎日を生きていて,
それが安定して実現させるにはどうしたら良いのだろうと考えています。

京都市長選が話題になっていますね。
京都は何度かDJさせていただいています。
それだけではなく、街自体が特別な場所です。
古いものと新しいものがきちんと息づいている。
昨年は初めてMetroでDJさせていただきました。
PAの方も、サウンドチェックに笑顔で対応してくださり、
配線がきっちりと種類ごとに引き出しに入っていたのが印象的でした。
オーナーの方とも話をさせていただいて、
「誰々も、誰々も、あいつらはみんなここでDJしてた。」
なんて、いま誰もが知っている著名な日本人DJの名前を挙げておられましたが、
この店で育てた、という意識がなければ
決して出てこない言葉だと思いました。
私たちがDJしたのは平日でしたが、
それでも私たちのDJをちゃんとダンスフロアで聴いて、
踊ってくださった。本当に嬉しかったです。
Metroは20年を超えて継続している歴史ある場所、
そして、<メトロ大學>という催しを行っていることや、
それを始めた経緯についての説明を読んでいただければ、
この場所が、「クラブカルチャー」「サブカルチャー」を
きっちりと意識した上で場所を作り守ってきたという姿勢が伺えます。
そんなMetroも、昨年の京都Worldの摘発を契機に、
現在はダンスする催しは1時で終了し、その後はBar営業、
時にはトークイベントを行ったりなどしている状態です。

風営法によって、クラブミュージックを愛する私たちの活動が阻害されるとき、
「クラブは一つの文化なのだ」という声が出ます。
ただ酒やドラックに溺れ、騒いでいるだけではないのだと。
けれども、それを言葉にするときに、
だれもがすこしは後ろめたさを感じる筈です。
それは、クラブカルチャーは、
ドラッグを含む、ある種の社会的な倫理や常識とは反する
怪しさや危うさが育ててきたマイノリティの文化でもあるからです。
だからこそ、一般社会の大多数からみたときに、
異質であり、理解が出来ず、怖がられる。
いまクラブに通っている多くの人間には
「ただ踊りたいだけ」であったとしても、
実際、薬物をクラブで摂取したと公言するものがいたり、
入り口のセキュリティの人が強靭な肉体だったり、
クラブの外で喧嘩を始めたり、と、
なかなか「踊りたいだけ」とは見えにくいのが現状です。
けれども、実際にクラブに通う大多数の人間は
本当に「音楽で踊りたいだけ」なのだから、
なんとかこれを一般社会に認めてもらわなくてはならない。
それには、クラブ業界の中の人間だけが動くより、
クラブ業界の外の、
一般社会に公的な立場を認められた人、
もしくはその類いの文化人に動いてもらわないと、
状況は一向に変化しないだろう、と思っています。
そして、今回の京都市長選は、
その大きなチャンスなのかもしれないと思うのです。

1月10日にMetroで行われた「メトロ大學」で
『京都市長選 公開政策討論会〜市長候補に一問一答!〜』が行わわれました。
そこに登壇した京都市長選立候補者の中村和雄氏は、
後日、自身のブログでダンスクラブについて、
さらにその後のブログには、
自身のが市長に当選後、どう活動していくかを表明。
一緒に風営法を変えていこう、その世論を作っていこう…。
ここまではっきりと明言した市長候補は、
前回立候補した市長選では、たった951票で落選しています。
そう、たったの951票です。
京都で選挙権を持っていて、クラブを愛する人間が投票が
自分の周りの人間にも声を掛ければ、決して不可能な数字ではない。
それに、今回の市長選で
自分が大好きなクラブが争点の一つになっていることを
周りの人間に話すだけでも、周囲のクラブに対する意識が変わってくる筈です。
いつも政治など見向きもしなかった自分の息子が、選挙に行く。
それを母親が見たとき、どんな感想であれ、なにか思うところは必ずあるはずです。
それに、中村候補は共産党推薦。
実は京都は、共産党の支持者がとても多い街です。
(確か2009年の夏、四条河原の交差点で、
志位和夫委員長が街頭演説したときにたまたま通りがかりましたが、
その時の群衆の多さには圧倒されました)。
その意味でも、京都はマイノリティに優しい風土が備わっている。
別の土地の政策によっては「実際の生活では無駄だと切り捨てられそうなもの」を
大事にする街です。

クラブカルチャーを20年以上も考えて支え続けてきた歴史あるクラブで
登壇した候補者がクラブカルチャーの支援に理解を示し、
風営法の改正へ尽力すると公言。
そして芸術文化とマイノリティを大切にする世界的に有名な
歴史的都市京都の市長に当選する。
これは、クラブカルチャーを一般社会に認めてもらうひとつの形として、
とても自然できれいな流れだと思うのですが、いかがでしょう?
そして、今回の選挙で中村候補が当選することが、
クラブにまつわる悪いイメージとは別の
私たちがいままでずっと見て欲しかった部分を
一般社会に堂々とアピールする一つの起点になりえる。
これはとても大きなことだと思います。

政治家がとても都合の良さそうな発言をする時、
わたしたちの心には疑念が沸きます。
本当に公約を守るのか判ったものじゃない、
どうせ票稼ぎだろう、と。
けれども、自分達がクラブを守りたい、
その可能性により近づくならば、
汚い言い方をすれば、
私たちも利用出来るものは利用するべき、
という考えもあるはずです。
「クラブ存続の為に公約した立候補者が
若者の支援を集め得票を伸ばし当選した」
という事実をつくることができれば、それ自体が、
勝つ為に世論を気にする政治家を動かす材料になります。
広げて言えば、選挙の争点として話題になることだけでも
何らかの意味があると思う。
もちろん、その候補者が公約を守るのかどうか、は
大切なことですし、
有権者自身がしっかりと候補者を知る意思をもつこと、
そしてその後の活動を見張ることも、とても大事です。
京都市長選、投票日は2月5日です。


いずれにせよ、
私たちがどれだけクラブを大事に思っているかを、
どんなチャンスも逃さずに効果的にアピールしていきたい。
京都市長選は始まったばかり、
これからどう動いていくのかは未知数なことばかりですが、
ともかく、すこしでも世論に認められ支持されるよう、
自分も真摯な気持ちでパーティと向き合いたいし、
京都の大好きなクラブ、パーティの為にも
勿論自分の為にも
できることはしていきたいと思っています。
長々とおつきあい頂き、有り難うございました。




 JUGEMテーマ:Dance / House Music


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